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Dleague LOOKINSIDE 2011
第17回 激動の2011年を振り返る
リーグ史上最も過酷な日程の中で熾烈な優勝争いを繰り広げられた23年度秋季大会はキングサンズが3勝1敗とセガに並ばれながらも得失点差で上回り見事優勝の栄誉に輝き幕を閉じた。 今回は激動の1年を振り返りながら2011年シーズンの総括と来年度の覇権の行方を占ってみることにする。
ー忘れもしない3月11日、東北地方を襲った未曾有の大地震と津波によりあらゆるものが一瞬にして”無”にーそれは多くの尊い生命を奪い、建物や自然を破壊しさらにはこれまでの生活環境や人々が描いていた認識をー津波の恐ろしさや原子力発電所や防波堤の安全性、電気の安定供給ー・・・
「安全」「当たり前」と思われていた多くの事や概念を根底から覆し、また世界に目を移せばエジプトやリビアなどで起こった民主化運動、「アラブの春」やギリシャに端を発した欧州債務危機、そして低迷する国内経済と終わりの見えないテロリストとの戦いに疲弊し、陰りを見せるアメリカ・・・
それはあたかも永年蓄積されたエネルギーが一気に噴出し大きな揺れを引き起こす地震のメカニズムのようにここ数年、様々な衝突や燻り続けている多くの問題を抱えようとも「表面上では危ういながらも均衡を保っていた世界」が想像を遥かに超えた自然のエネルギー、”死”をすら恐れない民衆の心からの叫び、そして尽きることない”我欲”の代償によって地球の至るところで自然が、社会が、そして人々の心が崩れかけようとしているーそんな日本が、そして世界が揺れた2011年、Dリーグは昨年に続きトーナメント戦1回とリーグ戦2回を開催、5月の東日本大震災チャリティートーナメント2011ではオールディーズが、春季大会では7年ぶりにネオクラゲが、そして秋季大会では1年ぶりにキングサンズとそれぞれ異なるチームが王座に着き、昨春より一時の低迷を脱し再び上昇傾向にあるセガがチャリティートーナメントと秋季大会でそれぞれ準優勝に輝いたことや勝星には恵まれないものの強豪相手に互角の戦いぶりを示し「優勝争いに加われる」高いポテンシャルを擁していることを証明したブッダの実力を鑑みるとリーグが目指している「戦力均衡化」が着実に進み「どのチームにも優勝するチャンスは十分ある」中で年間を通じて熾烈な優勝争いが繰り広げられてきたと言えるだろう。
リーグ創設10年目に突入する2012年シーズンは3Pラインの延長など改正されたルールの本格的な導入とともに様々な事柄で新しい変化が起きる可能性を秘めたシーズンになると思われるが勝者に求められる条件はいつの世でも普遍、選手各々が定められた目標に向かって強いメンタリティ、自己犠牲、そしてハードワークを心掛けると共に過の国難を機に見直された人と人との心の結び付き、すなわちチームとして強い”絆”を築きあげることが出来たチームが覇権を手にするのではないかと筆者は予測する。
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