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Dleague LOOKINSIDE 2012
第26回 −ブッダは勝利者になる為に必要不可欠な”ツール”を見つけられるのか−
今やチームリーダーに成長したバター梅津、、昨年加入しチームに”安定性”と”勝利への執念”を植えつけたスムーズ和田のリーダーシップ、若きセンター、ハーキュリー坂井の加入によって厚みを増したフロントコート、そして独特のリズムと不意を付く長距離砲が持ち味のスナック佐藤の復帰・・・・数々のプラス要因が重なり合った中で迎えた春季大会、彼らは上位陣を脅かしあわよくば頂点を狙う云わば「ダークホース」になる、いや、ならなければいけない存在になる筈だったのだが・・・”新生”ブッダの戦いぶりに多くの注目が集まったオールディーズとの開幕戦で見せた彼らのパフォーマンスは周囲の期待を大きく裏切るもので「”戦う”以前に自らのミスで自滅、メンバー全員が同じ目的を持って戦っているとは思えない」状態で「覇権奪回、そしてキングサンズ、そしてネオクラゲへのリベンジ」を目標に全てのメンバーが”一枚岩”となって試合に臨んだオールディーズに試合開始地直後から圧倒され前半終了時には20−38と「ほぼダブルスコア」とも言える大量リードを奪われるとそのままいいところなく50−73で完敗、出鼻を挫かれるとエース、マイティマウス愛宕を欠くセガには勝利するものの大会二日目にはネオクラゲ、そしてキングサンズに連敗、またしても失意の中でシーズンを終えた。
彼らの問題点はどこにあるのだろうか?まずは以前にもこのコラムで指摘した”内なる敵”すなわ彼らの心の中に潜む”精神的な問題”だ。基幹となる”根”が存在しないチームの成り立ち上仕方ない部分もあるかもしれないが既に彼らも結成から5年の時が経過している30歳を過ぎた”大人の集団”のはず・・・チームへの忠誠、意思統一、そして目的意識・・・彼らのプレーや行動から「欠けているもの、そして足りないもの」が透けて見えてくるのは筆者だけであろうか・・・優勝経験のあるオールディーズ、キングサンズ、セガ、そしてネオクラゲには存在する”勝利者”になる為に必要な「大切なツール」を探し出し、これを身に付けようとしない限り、彼らはいつまでも同じポジションに留まることになるだろう。
二つ目は技術的な問題、これも一向に改善されない貧弱なアウトサイドからの攻撃だ。バター梅津、スッダ杉岡、そしてバラクーダ月村と揃うフロントコート陣にたった2試合の出場でブロック王に輝き早くも存在感を見せつけた若きセンタープレーヤー、ハ―キュリー坂井が加わった布陣はリーグでもトップクラスと言えこのアドバンテージを活かすべくペイントゾーンでの攻撃回数が増えれば増えるほどインサイドのデイフェンスが収縮する事が予想されそれはすなわちアウトサイドシュータ―の役割が重要になってくることを意味する・・・しかしながら春季大会でのブッダの3P成功数はリーグ最少のわずか6本(リーグ平均は1チーム当り13本、トップはオールディーズの21本)はあまりにもお粗末だ。 チームにはイッコー槍田を始めデール江花、ピエロ西村、そして一時の輝きを失っているもののかつて3ポイントのタイトルを獲得した経験を持つターザン押切とミドルも3Pも打てるシューターが揃っている。チームをネクストレベルに引き上げる為に、そしてさらにその上の頂を目指す為には彼らの”奮起と成長”は必要不可欠な課題と言えるだろう。
ただチームの持つ潜在能力の高さは自他とも認めるところで主力メンバーであるスムーズ和田、ピエロ西村、そしてハーキュリー坂井の3名が春季大会では各々2試合づつの出場に止まっているのでもし彼らを含めベストメンバーが揃い前述の課題を克服して試合に臨んだ場合は上位チームを脅かす存在となることは間違いないだろう。
ー”負け続けることは辛い”そして”もがき苦しむことも辛い”ー しかし考えて欲しい。そして思い出して欲しい。 敗北からは勝利からでは得られない多くの事を学ぶことが出来る。そして自らの人生を振り返ればもがき苦しんだ事が自己の成長に大きな役割を果たしてきたことを思い出すだろう。筋力トレーニングに負荷が必要なようにチームの成長にも”重し”や”時間”は必要なものなのだ・・・
ー1925年の東京六大学野球連盟に加入以来、東大は一度の優勝も果たしていない。LAクリッパーズは1970年の創立以来NBAでの
優勝はおろかディビジョン優勝の経験もない。そしてネオクラゲは前回の優勝から7年の歳月を掛けてようやく3度目の栄誉を手に入れたー
彼らに今必要な行動は目標を定め同じ過ちは犯さず努力を継続しチームメイトを信じて粘り強く戦い続けることだ。戦いを継続していく中で”勝利者に必要なツール”を探し出しさえすれば彼らが優勝を言う名の”大輪の花”を咲かせるのはそう遠い未来ではないと筆者は予測する。
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