|
Dleague LOOKINSIDE 2013
第42回 -正しい道の入口に立ちステップアップの準備が整ったネオクラゲ-
2011年春季大会、7年振り3度目のリーグ優勝を成し遂げ永らく続いたキングサンズ、そしてオールディーズによる”2強時代”に楔を打ち込み新たな時代へのスタートを切ったと思われたネオクラゲ。しかしその後は優勝争いに加わる事なく再び中位に停滞、昨年の秋季大会で熾烈な覇権争いを演じたオールディーズ、キングサンズ、そしてファイブファールズのいわゆる”TOP3”とは「明らかな距離」を空けられてしまっているのが現実のようだ。今回は前回大会の戦いを振り返りながら2年前に辿りついた筈だった”山の頂”に留まり続ける事が出来ずに彷徨う”チームの問題点を探ると共に現在の戦力を検証、春季大会への課題を探る事にする。
試合開始直後から鮮やかな連係プレイで圧倒され成す術無く敗北を喫したファイブファールズ戦、序盤から互角の戦いを展開、終盤まで食らいつくも勝負所で突き放され追いつく事が出来なかったオールディーズ戦、そして一時は二桁近いリードを奪いながらも背後に迫り来る黒い幻影に怯えミスを連発、自ら勝利を手放してしまったキングサンズ戦・・・昨秋大会での敗戦した3試合を振り返ってみるとその大きな要因は試合開始直後に砕かれてしまった自信、リードした場面で往々として顔を出してしまう雑なプレーや本職のポイントガード不在が齎す不安定な試合運び・・
・
さらにこれに加えて主要メンバーの欠場と予想だにしないアクシデントの発生、コンディション不良まま試合に臨んだメンバー、急ぎ過ぎた世代交代が招いた数多くの代償・・・チームに様々なネガティブな問題が次々に発生したことにより最後までその実力を、そして日々の練習で積み重ね構築してきたはずであった”チーム全体が醸し出す一体感”を感じさせるプレーを見せる事が出来なかった事に尽きるのだはないだろうか・・・
これは昨秋大会前のコラムで指摘した筈だった「まだまだ改善の余地がある稚拙なバスケットボール」とほぼ準備と計画不足に起因する「コートに入る以前の問題」という課題が未だクリアする事が出来ていない事を如実に示しているがチームはこの半年間、試合や日々の練習を通じて勝利の歓喜、受け入れがたい敗北、意見の衝突、突然の負傷、正義や規律の重要性、乗り越えた困難、そして乗り越えられなかった困難・・・様々な経験を通じて多くの事を学び日々薄皮のように積み重ねてきた”足跡はやがて”山の頂を目指す”チームの未来の扉を開ける大きな手助けになる事だろう。
装いも新たにnewyork knicks風にモデルチェンジしたユニホームを纏うチームの陣容はベテランが築き上げてきた伝統やアイディンティティは継承しつつチームをネクストレベルに引き上げるべく日々の練習で新たな風を吹き込むエース、BS三野宮、前回大会でのファイブファールズ戦での3連続エアボールの汚名を晴らすべくダイエットを敢行、「ここ数年では最高の仕上がり具合」で大会に臨むa.k.a”スピーディーロダン”ゆうま、リーグで最も過小評価されている選手かもしれないちょっと頼りないオールラウンダー”カルロ”小杉、突如襲った無汗症から復活を目指す機動力のあるリトルセンター、DICE-K、持ち味である執拗なディフェンスに加えミドルシュートの精度も上げてきた”スロッター”しゅん、インサイドもそしてアウトサイドも器用にこなすオールラウンドな能力と精度の高いロングレンジシュート・・・
そして何よりも「正しい状況判断とチームに必要とされるプレーが出来る」”ピンクパンサー”ジュエリのチームの未来を担う若手メンバーのコンディションは上々、これに加えて前回大会で筋断裂の重傷を負うも「総合治療院テコセンター」による的確な施術により”40代後半では信じられない程の短期間で戦列に復帰を果たし好調を維持する”シャワーフリーク”武藤、昨年半ばより往年のシルクのようなシュートタッチが復活、ミドルジャンパーを量産するSE光嶋、現役復帰から1年、ようやく本来のトップフォームを取り戻しつつある”アロンゾ”川原、一度コートに入るや如何なるディフェンスでも確実に破壊する”ペーパーバック小森、そして高血圧に痛風・・・成人病と戦いながらもチームに息吹を齎すロングレンジを射抜き続けるAK・・・チームを支えてきた5人のシニア世代のベテランメンバーも健在、さらには「永年チームの懸案事項でかつ欠点でもあった本職PG不在」の穴を解消すべくチームに加入したa.k.a"HG(ハードゲイ)小田川がチームに安定感とバランスを齎す役割を担う事になるだろう。
人生が成功と失敗の繰り返しであるようにチームを構築していく事も成功と失敗の繰り返し・・・その過程において人は、そしてチームは成功から多くの事を学び失敗を今後の糧にする。-時に寄り道を、時に立ち止まり、時に彷徨い進む道を見失ってしまうが常にその目はチームの未来を見据えている- ネオクラゲは結成から今日に至るまで最短距離で目標に到達出来ない不器用なバスケットボールクラブだ。
しかしながら衰える事のないバスケットボールへの情熱、人と人との繋がりを大切にする姿勢、敗戦から学んだ様々な経験、そしてHG小田川の加入・・・ようやく辿ついた正しい道の入口に立ちステップアップの準備が整ったネオクラゲが4度目となるリーグ優勝を遂げるだけの力を有していると筆者は予測する。
|
|
|
|