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Dleague LOOKINSIDE 2015
第70回 ― 3連覇に挑むファイブファールズ ―
リーグに君臨し続けた「絶対王者」オールディーズの6連覇を阻んだ春季大会に続き秋季大会でも抜群のチームワークと無類の勝負強さを発揮し見事2連覇を達成したファイブファールズ。アナザーワールドたく、トリックスターだいごのリーグを代表するスタープレーヤーの存在は連覇を成し遂げたチームにとって必要不可欠な要素であったことは疑いもない事実ではあるがだからと言って−彼らに依存している−と言うよりはむしろベンチメンバーを含めたチーム全員が −日頃のサポートや応援をしてくれている人達への感謝を忘れずに「全てのメンバーが各々に与えられた役割に対してベストを尽くす、全力で戦う」気持ちとチームそのものに対するメンバーの大きな愛情がこのチームの強さの源泉になっているようににも映る。今回はオールディーズ以来リーグ史上2チーム目となる“3peat“3連覇に挑むファイブファールズの前回大会の足跡を振り返るとともに「勝ち続ける事で見えなくなる、気付かなくなる」部分をも含めて彼らの戦力を数値を交えながら客観的に分析、次期大会への課題を探っていくことにしよう。
26年度秋季大会
表1【戦績 5勝0敗】
11/24 | 11/29 #1 | 11/29 #2 | 12/6 #1 | 12/6 #2 |
ネオクラゲ | セガ | ブッダ | オールディーズ | キングサンズ |
○47-46 | ○48-47 | ○62-54 | ○53-45 | ○51-47 |
表2【チームスタッツ1】
| 得点 | 2P | 3P | フリースロー |
得 | 52.2(5) | 17.6(5) | 4.0(2) | 5.0(6) |
失 | 47.8(1) | 16.4(1) | 3.0(1) | 5.2(3) |
差 | 4.4 | 1.2 | 1.0 | -0.2 |
表3【チームスタッツ2】
| リバウンド | アシスト | スティール | ブロック |
得 | 33.6(1) | 10.2(2) | 5.0(4) | 0.2(6) |
失 | 29.2(5) | 7.2(1) | 2.6(1) | 0.8(3) |
差 | 4.2 | 3.0 | 2.4 | 0.6 |
*1試合当たりの平均値( )内の数字はそれぞれリーグ内における順位を表す
表1の大会に於ける試合経過でもわかるように全ての試合で8点差以内と −ネオクラゲ戦、セガ戦では1点差だった −熾烈極まる競り合いの中で勝ち進んできたことが示すように彼らは接戦における無類の勝負強さを持っていると同時に他方からみれば −かつてのオールディーズのような他を圧倒する絶対的な強さや一気に試合を決めてしまう爆発力を持ち合わせてはいないという見方も出来る。 −すなわちそれは− 例え今、王座に君臨しているとはいえ「一つ何が欠けたりチームの歯車に微妙な狂いが生じてしまうと一気に下位に転落してしまう可能性を秘めている」言わば危ういバランスの中に身を置いていると言えるのかもしれない・・・
しかしながら −例え2連覇を成し遂げ、オールディーズが記録したリーグ連勝記録の15に迫る11連勝を更新する中でも−彼らは“何故自分達が勝ち続けていられるのか、そして自分達が置かれているポジションがどこにあるのかをよくわかっていて「3週間に及ぶリーグ戦の於いて不測の事態や欠場者に備えて全てのポジションに実力に遜色ない複数の選手を配置している −それは異なる個性を持つ選手やユーティリティーな能力を持つプレーヤーの場合も含めて− チームロースターに名を連ねていることが彼らの大きなアドバンテージになっていて事実、前回大会の経過を振り返ってみても大会初日に47−46とネオクラゲにあと一歩まで追い詰められた時にはアナザーワールドたくが欠場、続く大会2日目のセガ戦、そしてブッダ戦ではアナザーワールドたく、そしてトリックスターだいごが揃って欠場する中で結果的に僅差の試合に競り勝っていることがこれを計らずとも証明していて、リーグを制覇する為の条件として挙げられる「大会期間中、個々の能力に依存することなく安定した力を発揮出来る“総合力”と悉く接戦をものにしてきた“勝負強さ”を同時に持ち合わせていることが熾烈なリーグ戦を勝ち抜き連覇を達成した大きな要因となっている。
またこの“総合力”と“勝負強さ”を並んで表2、表3に羅列する数字から理解出来るようにリーグ最少失点の47.8Pを始めとして各部門でリーグトップの数字が並ぶディフェンス面での秀逸性が連覇達成へのもう一つの大きな原動力になっていたことが、そしてこの”ディフェンス“こそがチームの基本的なアイディンティティとなって浸透していることが伺い知ることが出来る。
但し3peatを目指すディフェンディグチャンピオンに問題が無い訳ではない。それは以前から指摘されている不安定な得点力の改善だ。勿論ディフェンスに重きを置いている事を考えればある程度は仕方のない部分ではあるのかもしれないが25年度秋季大会の53.4Pから26年度春季大会では57.4Pと大きく伸ばしていた得点力が前回大会では52.2Pと5P以上大幅に下落している事実にチームとして目を背けることなく取り組んでいかなければいけない問題であることは間違いなく、放置しておけば思わぬ相手に足元を掬われる要因にもなりかえないので早急に改善に努める必要があるだろう。
それではここで3連覇に挑むチームのロースターを確認することにしよう。ガードポジションではアナザーワールドたく、トリックスターだいごに加えて前回大会フォワードポジションも難なくこなせる多様性、サッカー用語でいうポリバレントな能力を発揮、攻守に大活躍をみせたスーパーボールあきら、ゲームコントロールに加えて大事な局面でロングレンジをヒット、クラッチシューターぶりを発揮したマイクロビーンズ遠藤、欲しい場面で必殺のロングレンジシュートを高確率で決めてくるジャックナイフ土利川、一つのプレー、一本のシュートで試合の流れを一気に手繰り寄せることが出来るチームno.1のムードメーカー、イエローマスタード菅野、これに春季大会から過去に2度(フォールバックス、ネオクラゲ在籍時に1度づつ)得点王を獲得しているBS三野宮と如何なる場面であろうともチームが必要としているプレーを確実に遂行出来るスキルを持つピンクパンサー“ fundamental”じゅえりがネオクラゲから揃って移籍、それぞれ得点面、そしてオールラウンドなプレ−での活躍が期待されている。
続いてフロントコートの陣容も確認しておこう。「チームで最も堅実で“信頼“出来るプレーヤー」ルンバ“trust”北山、変幻自在なテクニックで敵はおろか時には見方も翻弄するコートの魔術師、マジック飛澤、目立ちはしないが与えられた仕事を確実に遂行してくるグライダー蓮見、膝の負傷の回復具合が気になるものの出場となればインサイド、そしてアウトサイド合わせたオールラウンド活躍が期待されるチームの精神的支柱、ダンディカズ、“リーグno1の奪取率”と思われるオフェンスリバウンドと意表を突くロングレンジシュート、そして緻密なベンチワークでチームの連覇に大きく貢献した“影のMVP”ブラックタイガー山川、強烈無比なパワープレーに加えてここのところミドルレンジからのショットの精度を挙げているダイナマイトキッドあつし、端正なマスクとは裏腹に激しいリバウンド争いに、ルーズボールにも迷いなく飛び込むハードワーカー、ハリウッド雄介、そして今大会からキャプテンに就任、プレイ面でのさらなる活躍は勿論、チームを統率するリーダーシップが問われるボードマスターまっきーと今回もお馴染みのメンバーが顔を揃える。
リーグを制する条件とされる「総合力」「勝負強さ」そして「強固なディフェンス」を持ち合わせているファイブファールズが3連覇を達成する可能性はかなり高いと言えるがその一方で13年に及ぶリーグの歴史の中でセガ、ネオクラゲ、キングサンズ・・・その時代をリードし2連覇を達成してきたチームが「3連覇」という壁に何度も跳ね返されてきた事実、
そしてその偉業を達成するまでにリーグ創設から10年以上の年月が流れ、未だオールディーズしか成し遂げていない現実や年々進化を遂げるとともに戦力の均衡化が進むリーグの現状を合わせ考えると彼らの3度目となる”頂”へと続く道程はかなりの困難とライバル達との厳しい戦いが待ち受けていることは間違いないだろう。
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