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2015年大田区バスケットボール春季大会 予選リーグ最終戦


1勝1敗1分けの成績で予選リーグを戦い抜いたミステリーゾーン。左からF山本、バター梅津、AK、ハイタワー西野、DG浅井、キャノンボールしん、キケロ武田、バーグ後藤。

戦力的に圧倒的な優位な状況下では“戦略”は勝敗に大きな影響を与えることなないだろうが −9年前のチーム結成時から− 既に肉体的な能力のピークを過ぎたシニアカテゴリーとも言える“40歳を超える平均年齢の選手達で主に20歳から30歳半ばの選手が −勿論その中には20歳にも満たない若者も参加している− 区民大会に出場、奮闘を続ける”黄昏中年バスケットボールチーム“「ミステリーゾーン」にとって”戦略“とは −それは知性、規律、協調性をも含くまれる− 運動能力や精神力以上に勝敗に左右する必要不可欠なものと言えるだろうし試合を積み重ねていくことで確立してきた「前半でリードを許し対戦相手の油断を誘い後半に入ると忍び寄るように追い上げ試合終了間際に接戦に持ち込み僅差で勝ちを拾う」”ミステリーゾーンスタイル“とも呼ぶべきこの”戦略“無くして −3回を数える準優勝と最速での一部昇格− は勿論、明らかに格上のチームを、疾風の如くコートを駆け抜ける若者達を、そして前半で大量リードを奪い勝利を確信していたはずの対戦相手をいつの間にか説明のつかない不思議な空間”ミステリーゾーン”に誘い勝利を積み重ねていくことは不可能だったであろう・・・今回は予選リーグ最終節、まさに“win or go home“決勝トーナメント進出を賭けて対峙した東実OB戦との激闘の模様をお伝えしよう・・・


6月10日(水) 対東実OB

開始早々、試合の主導権を握ったのは東実OB、素早いパスワークでボールを動かしオープンスペースを創出、正確なミドルジャンパーでミステリーゾーンを翻弄、9−0とスタートダッシュに成功する。一方のミステリーゾーンは前節同様、“試合の入り方”の拙さからロストボールやバッドパスを連発、そしてシュートまで持ち込むもののフィニッシュの精度を欠いてなかなか得点を挙げることが出来ない時間帯が続いていたが“高さのアドバンテージを活かし徹底的に東実OBのインサイドを攻める“戦術がようやく功を奏しバター梅津が力強いパワープレーでボールをゴールに捻じ込むとF山本のミドルジャンパーを挟んではハイタワー西野が190センチを超える高さを活かして立て続けに東実OBのファールを誘発、ボーナススローを沈めて反撃を開始するも東実OBのスピードと正確なショットにアジャストすることが出来ずに早くも8-18と二桁のリードを奪われてしまう・・・

第2Qに入ると「予選リーグを通じて安定したプレーを披露、“シニア世代のチーム”を牽引しているキャノンボールしんが試合を重ねる事に進化を遂げるスピードと力強さに磨きをかけたストリートドライブを敢行し東実OBのディフェンスを蹂躙、圧巻の10連続得点で試合の主導権を奪い返すかと思われたがそのあとが続かない・・・ それはまるで −1974年のワールドカップ西ドイツ大会で世界中を驚かせた “ポジションレス”そして 全員攻撃、全員守備のヨハンクライフ率いるオランダの“トータルフットボール”を彷彿させるかのように− フロアにいる5人が変幻自在に代わる代わる得点、さらにはディフェンスでもニュートラルボールへの反応速度や所謂“球際での強さ”でミステリーゾーンのミスを誘発させ次々とボールを奪い次々とネットを揺らしさらに得点差を拡げていく・・・

「このような“劣勢”に陥った時こそ“ボールをシェア、アシストが付くような、あるいはチームに希望を齎すようなチームプレーで得点を挙げたい」場面だが −拡がる得点差、閉塞感が漂い始めた一方的な試合展開、そして”早く追いつかなければ“という焦りからかミステリーゾーンはチームの約束事とは異なったシュートセレクションやバッドパス、そして意思疎通を欠いたプレーでミスを連発、点差を縮めるどころが19-43とさらに得点差を拡げられてしまい大量24点のビハインドを背負うことになり早くもハーフタイムで窮地に追い込まれてしまう・・・

「まだ第3Q、焦る必要は無い。ゲームプラン通りインサイドを徹底的に攻めてまずはこのQで一桁差にまで得点差を縮めよう」とハーフタイムの間に再度意思統一を図ったミステリーゾーンは同時にゾーンディフェンスからディフェンスをマンツーマンにシフト、すると大ベテランの53歳コンビ、AKとDG浅井がファールすれすれの気迫溢れるディフェンスで相次いで東実OBから半ば強引にボールを奪取するとバター梅津とバーグ後藤が理想的とも言える「ハイポストからのパス交換」からペイントゾーンで代わる代わる得点、反撃の狼煙を上げるとその身長からは考えられないようなスピードでセンターラインを疾走したハイタワー西野にピンポイントパスを送り連続ゴールをクリエイト、さらには前節のデビュー戦で24得点を挙げる活躍を見せたもののここまで目立っていなかったキケロ武田が「自分の気配を消してオフェンスリバウンドを奪取する」“木の葉隠れ”リバウンドからゴール下で得点、「予想だにしなかったミステリーゾーンの反撃に自分達のリズムを失い得点がピタリを止まってしまった」東実OBとの得点差を一気に縮めていくと残り4分、ここからキャノンボールしんが第2Qでのスパークを再現するかのように真夜中のアスファルトのコートで昇華させてきた必殺のストリートドライブを連続で敢行し前半から飛ばした疲労からか足が止まってきた東実OBのファールを誘発、ボーナススローで繋げると −2年前の春季大会、後半の勝負所で3本連続でスリーを決められ大逆転負けを喫した大きな原因になった前回対戦時の残像映像が残っている− 東実OBの執拗なマークに苦しんでいたF山本がディフェンダーの一瞬の隙を突いてロングレンジをヒット、さらにはバーグ後藤のパワープレーも決まりこのQ25-10と東実OBを圧倒、44-53と“目標設定”通りに一桁差となる9点差にまで猛追、試合はいよいよ勝負の最終Qに突入する・・・

“追うものの強みか”第4Qに入ってもミステリーゾーンの勢いは止まらない。ハイタワー西野の連続ゴールに続いてF山本のスリーを挟んでキャノンボールしんが続け様に長距離砲をヒット、遂に59−62の3点差と東実OBを射程距離に捉えると東実OBは堪らずタイムアウトを要求、50年有余年の歴史を知るレジェンド達が「2年前の春季大会、15点差の大量リードを第4Qの驚異の追い上げで大逆転負けを喫した」記憶が脳裏に蘇ってきてしまったのか・・・前半で24点差を付け遥か遠くに“置き去り”にしたはずのミステリーゾーンがまるで亡霊の如く忍び寄り明らかに動揺しつつある若い選手達に「相手も疲れてきているんだ、ここからが本当の勝負だ!慌てるな!落ち着け」とアドバイスを送る・・・

残り3分、一気に逆転を目論むミステリーゾーンだがここで勝機を焦ったのか立て続けに痛恨のロストボールを連発、これを東実OBにカウンター攻撃のように得点に繋げられて一気にその差は7点差に拡げられてしまう・・・それでも最後まで諦めることなくファールゲームで何とか追いすがるミステリーゾーンに対し東実OBは慌てることなく確実にフリースローを決めて勝負あり、73-66で振り切り通算成績を2勝1敗としグループ2位を確定、決勝トーナメント進出を決めた。一方、前半で24点差を付けられながらも後半に入り猛追、一時は東実OBに3点差にまで詰め寄るものの最後は力尽き惜しくも敗れたミステリーゾーンは同じく予選リーグ3試合を戦い1勝1敗1分で終了、前節の暫定1位からこの敗戦を受けて一気に3位に転落、惜しくも決勝トーナメント進出を逃した。

1974年10月、今日でも“キンキャサの奇跡”として語り継がれているコンゴ共和国で行われた世界ヘビー級タイトルマッチで“チャンピオン優位”の大方の下馬評を覆しジョージフォアマンを破ったモハメッドアリ、昭和48年の春の選抜大会準決勝、当時の高校生では打てない“とまで言われていた剛速球を武器に高校球界を席巻していた”怪物“江川卓擁する作新学院を2-1で破った広島商業、そして今春の東京六大学野球でその時点ではまだ優勝の可能性を残し甲子園経験者が多数在籍する法政大学を延長10回の激闘の末、6−4で撃破し連敗を94で止めた東大・・・アリは打ち疲れを待つ「ロープ ア ドープ」という防御策でフォアマンを疲弊させ勝機を見出し、広島商業の智将、迫田監督は粘りと揺さぶり、そしてダブルスティールという奇策で作新学院のミスを誘発、そして東大は打撃に加え徹底的に守備を鍛え直しリーグ最少レベルにまで失策数を大幅に減らす事に成功、来たるべき”その日“に備えていた・・・このように”弱者が、あるいは実力が劣るものが強敵や格上相手に勝つ場合には必ず戦略が存在し、戦略無しに、そして戦略を理解しチーム全員がそれを最後まで遂行する事が出来なければ“奇跡”を起こすことや格上から勝利を挙げることは不可能なのだ・・・

5対3という絶対有利な状況にありがらも77-77の引き分けに終わり“詰めの甘さ”を露呈したモルツ戦、そして24点差を付けられながらも終盤追いついた粘り強さは評価できるもののシュートセレクションの問題や不安定なフィニッシュ、そして22本中13本しか決められなかった −対戦相手の東実OBは13本中11本を決めていた− フリースロー・・・予選リーグを通じて多くの課題が浮き彫りになった“黄昏中年バスケットボールクラブ”ミステリーゾーン。過渡期を迎え新規メンバーの加入を含めチーム編成の再構築が噂される中、さらなる成長、進化を遂げる為には、そして対戦相手を“説明のつかないミステリー空間に誘う”為には今一度自己を見つめ直し浮かび上がった現実に対してメンバー全員が真正面から取り組むことが必要だろう。


第4Q、東実OBを射程距離に捉え右サイドから果敢にドライブを敢行するDG浅井、53歳の年齢を感じさせないはつらつとしたプレーで試合を通じてチームに勇気を与え続けた。              

3人のディフェンダーを囲まれながらも東実OBのペイントゾーンを切り裂くキャノンボールしん。この日チームハイの25得点を記録、予選リーグ3試合を通じてチームのダイナモとして獅子奮迅の活躍を見せた。

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