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2016年渋谷区バスケットボール春季大会 スーパーシニア2回戦
前回大会で優勝を飾っている強豪、森本組との対戦に挑むタイムトンネルのメンバー、 前列左から“DG”浅井、AK44、“SE”光嶋、後列左より“ボールコレクター”増田、“ナイト”足達、アイスピック“カストロ”西川、“バッドマウス”武藤
1966年9月、アメリカABCネットワークにより放映が開始された「TIMETUNNEL」は未完成な時間移動装置に入り込んでしまった二人の科学者が過去と未来へと続く時間の流れの中を漂流する物語であり、それは1912年4月、氷山と接触して沈没することになる豪華客船タイタニック号の船上や1944年6月のノルマンディー上陸作戦前夜、フランス革命や古代ギリシャ、そしてローマ帝国・・・勿論“未来”へと転送され地球侵略を企む異星人と遭遇する場面等もあったがその多くは“過去”の時代へと転送されたストーリーが占めていた・・・
しかしその初回放映から50年の時を経た2016年4月、突如渋谷区スーパーシニア大会へ参戦した“タイムトンネル“は彼らがこれまで積み重ねてきた歴史を懐かしんだり、美しい想い出に浸る為のものではなく、50歳を超えても尚、バスケットボールに挑み続ける彼等自身の「新たなる歴史を創造する為に未来へと向かっていく」ストーリーのみで構成されている・・・
今回は5月8日に行われた初戦でスーパーキャットAを下し2回戦に進出したタイムトンネルが前回大会で優勝を飾っているディフェンディングチャンピオン、森本組に挑んだ激闘の模様をお届けしよう。
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5月22日(日)2回戦 対森本組
試合は両足のふくらはぎを痛め不安を抱えながらも強行出場したバッドマウス武藤がオフェンスリバウンドに飛び込みそのままゴールにボールを捻じ込みタイムトンネルが幸先のいいスタートを切ったと思われたがディフェンディングチャンピオンの森本組はすかさず反撃を開始、#8“ジェラルド”佐々木のドライビングレイアップに続いて気迫みなぎる#41“オーシャン”高橋がミドルジャンパーに続いてスリーをヒット、一気に突き放しに掛かるがタイムトンネルもボールコレクター増田のボーナススローに続いてナイト足達、アイスピック“カストロ”西川が連続得点、さらには右ベースライン沿いからSE光嶋がミドルジャンパーを射抜いて9-11と2点差にまで森本組を追い上げ第1Qを終える。
“王者”森本組を相手に互角の滑り出しを見せたタイムトンネルは第2Qに入ると攻撃のギアをシフトアップ、この試合攻守に軽快な動きを見せているアイスピック“カストロ”西川のミドルジャンパーを皮切りにボールコレクター増田のパワープレーに続いてAKがロングレンジをヒット、さらにはタイトなマンマークでプレッシャーを浴びせていたDG浅井がボールをスティールするとそのままセンターラインを爆走、すると左サイドラインを駈け上がってきたAKに絶妙なタイミングでラストパスを送り速攻を演出しタイムトンネルの“真骨頂”とも言えるバランスのいいオフェンスを展開、19-11と一気にリードを拡げると森本組は堪らずタイムアウトを要求、集中した攻撃で試合の流れを強引に手繰り寄せたタイムトンネルが戦前の予想に反して試合を優位に進めていく・・・
−しかしこれくらいの事で王者は引きさがらない− 第2Q、残り4分、ここまで無得点と攻撃のリズムに狂いが生じていた森本組はインターバルの僅かな時間で集中力を高めオフェンスを修正、巧みなスクリーンプレーからフリーになった#35 ジェリー森本が得意の長距離砲を射抜いて反撃の狼煙を上げるとここから#8ジェラルド佐々木が躍動、フリースローレーンの右サイド付近でボールを受けるとシュートフェイクでディフェンダーの“腰と膝”を浮かせるとその瞬間を逃す事なく低く突き出すドリブルと“一歩目”の速さで一気の抜き去るとフィニッシュではボールの勢いを殺してボールを捻じ込む鮮やかなドライブで連続得点、さらには“仕掛けてくるとわかっていても止められない”このドライブに堪らず手を出してしまうディフェンダーのファールを誘発、ボーナススローをきっちり沈めるとこれに呼応するかのように#41オーシャン高橋が −第1Qで見せた“シューター”としての残像映像が脳裏に残っている対峙するディフェンダーの心理状態を察知、−それは剣道で対峙する互いの竹刀の剣先が触れることで相手との距離や心の中を探るつばぜり合いの如く− シュートモーションで欺き空いたスペースに向かってドライビングレイアップを敢行、一気に突き放し26-19と森本組が逆転に成功、タイムトンネルに7点のリードを奪ってハーフタイムを迎える。
後半に入ると −体力面の消耗を考慮したのかマンツーマンディフェンスからゾーンディフェンスにスイッチしてきた森本組はオーシャン高橋と共にチームのオフェンスを牽引してきたジェラルド佐々木が“前半で見せていた右サイドからのドライブを警戒するディフェンダーの”予測“を逆手に取って左サイドからの”インテリジェンスドライブ“を敢行、見事に沈めて28-19とこの日最大となる得点差を付け「一時は19-11と8点差を付けられていた大会初参加のタイムトンネルに二桁近いリードを奪った安堵感からかコートへ躍動を続けるチームメイト達への声援も一段と大きくなり、早くも勝利を確信したのか、ベンチからはたくさんの笑顔が浮かんでいる・・・
しかしこのまま引き下がる訳にはいかないタイムトンネルは反転攻勢に向けてディフェンスの、そしてオフェンスのギアをさらに一段上げて一気にアクセルを踏み込む!
バッドマウス武藤がSE光嶋のミドルジャンパーを挟んで怪我の影響を感じさせない豪快なドライビングレイアップを続け様に敢行、疲労からか明らかに“足が止まってきた”森本組のディフェンダーのファールを誘発、ボーナススローを確実に沈めて追撃を開始するとここからアイスピック“カストロ”西川、SE光嶋が代わる代わるミドルジャンパーをヒットし連続得点、遂に33-34と森本組を“射程距離”に捉えて試合は勝負の最終Qに突入する・・・
第3Q終盤での猛攻の勢いそのままに最終Qに入ってもタイムトンネルが先制攻撃を仕掛ける!この試合要所で得点、いい働きを披露しているボールコレクター増田がステップアップ、少し距離のあるフックショットで逆転に成功すると続いてフリースローレーン左の位置からドライブで突進、−そのシュートセレクションはややもすると強引とも映ったが− 彼の“勝利を渇望する強い気持ち”がボールに乗り移りゴールに吸い込まれ37-34と逆転に成功、1回戦に続いて少し歳を取った7人の“時計じかけのオレンジ達”がコートの中で代わる代わる輝きを放っていく・・・
さらに勢いに乗るタイムトンネルはバッドマウス武藤がオフェンスリバウンドを?ぎ取りそのままゴール下を沈めて39-34と得点差を拡げ突き放しに掛かるが昨秋大会に続いて2連覇を狙うディフェンディングチャンピオンもすぐさま反転攻勢、ここまで13Pを挙げているジェネラル佐々木、同じく11Pのオーシャン高橋の2枚看板がチームの危機を救うべく果敢にゴールにアタック、スコアボードを再び動かし始めるとベテラン、ジェリー森本がミドルジャンパーを射抜いて39-39の同点に追いつくとジェラルド佐々木がパワープレーでファールを誘発し獲得したボーナススローを1本沈めて再び40-39と逆転、互いに一歩も譲らない激闘は森本組がタイムトンネルを僅かにリードして遂に勝負を決するクライマックスの時間帯に突入していく・・・・・・
予想だにしない試合展開に場内が騒然とした空気に包まれてきた残り2分30秒、正に“痺れる時間”で先手を奪ったのはタイムトンネル、スクリーンを利用して左エルボー付近でフリーになったナイト足達がミドルジャンパーをクリーンヒットし再び41-40と逆転、さらにはボールコレクター増田のリバウンドショットに続いて再びナイト足達がDG浅井のループパスに反応、そのまま押しこみリードを拡げると残り1分、リバウンドを?ぎ取ったバッドマウス武藤がそのままコートを駈け上がりレイアップを沈めて45-40と5点のリードを奪い“勝負は決したか”と思われたが最後まで諦めないで喰らい付いてくる森本組はジェネラル佐々木の意地のゴールに続いてファールゲームを仕掛けてくるもDG浅井、バッドマウス武藤が慌てる事無くボーナススローを沈めて勝負あり、タイムトンネルが王者森本組との激闘を51-45 で制し3回戦進出を果たした。
次回の“タイムトンネル”は6月4日(土)幡ヶ谷に位置する渋谷区スポーツセンターに“転送”され準決勝進出を懸けてTEAM SWIFTと対戦する。
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終盤、ダブルチームでボールを奪いに行く大学時代から続く先輩後輩コンビのDG浅井とアイスピック“カストロ”西川。試合を通じてタイトなディフェンスで王者森本組を苦しめ続けた。
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シュート体制に入るナイト足達(左)とこれを見守るSE光嶋。ナイト足達はそのa.k.a通り騎士の如く第4Q勝負所で値千金の2本のショットを沈め、SE光嶋も6得点を挙げ勝利に大きく貢献した。
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