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Dleague LOOKINSIDE 2017

第96回 ― 29年度Dリーグ秋季大会 大会展望 ―


Dリーグ29年秋季大会は10月22日(日)にJFE川崎水江体育館で開幕、そして大会2日は11月12日(日)、そして最終日の11月19日(水)はいずれも川崎マリエンに場所を移して開催される。

前回大会では1年前の秋季大会、通算2度目となる大会棄権によりチームの勝敗は勿論、勝点、そして個人スタッツを含めた全てのリザルトを消され“地に堕ちた”と思われたブッダが“どん底の闇の中で遂に手繰り寄せた栄光へと繋がっていく“信頼”という名の1本のロープをチーム全員が最後まで離すことなく握りしめ“見事4勝1敗でリーグを初制覇、結成10年目の節目を迎えたチームに花を添えて幕を閉じた。

今大会の見どころは長い低迷と幾多の辛酸を糧に遂にリーグの歴史にその名を刻んだブッダが大会連覇を成し遂げることが出来るのか、あるいは圧倒的な攻撃力を武器に準優勝を飾り再び覇権奪回へ向けてその戦闘能力の高さを見せつけた“絶対王者”オールディーズ、1年前の秋季大会で参戦以来初の5位転落から一転、開幕3連勝を飾り一時はリーグ戦の首位をブッダと並走、最終的に3位に喰い込み“復活“を印象付けたファイブファールズのここ数年リーグを席巻してきた“2強”の復活はあるのか、あるいは優勝を果たしたブッダに唯一黒星を付け虎視眈々とリーグ制覇を狙う危険な存在“ダークホース”のキングサンズ、そして共に1勝3敗1分と下位に沈んだもののその破壊的な攻撃力にいささかの衰えを感じさせない“古豪”セガ、5度目のリーグ制覇を目指し練習を重ねてきているネオクラゲの3チームにも上位争いは無論、優勝を狙える戦力を有しており、今大会も各チーム総当たりのリーグ戦ながら −1敗、あるいは1分した時点で優勝戦線から後退を意味する− “全ての試合が正に決勝戦であるかのよう”開幕戦から最終日の最終試合まで一瞬の気の抜けない”win or go home” リーグの頂へと向かうウインニングロードを駆け抜ける激しいサバイバルレースが展開されることは間違いないだろう。

今大会での優勝争いの大きなポイントとして挙げられるのは「チームの熟成度、総合力、そして兵站力」の3要素となる。

現行の独自リーグの規定では「新規メンバー登録は春季大会開催前の1回のみで秋季大会では登録は不可」、即ち“戦力補強”によって戦闘力の向上は図る事は出来ない・・・

従って栄光を手にした者、思うような成績を残せなかった者、そして下位に甘んじてしまった者・・・その結果を受けて 各チームが、そして個々のメンバーが” −コートの中で、あるいはコートの外でどのように過ごしてきたか− −真剣に練習に取り組み、そして準備を進めてきたか− そう、チームの進化が、そして「熟成度」が問われる戦いとなる。

また前回大会から採用された1Q8分×4Q制から10分×4Q制へのゲームフォーマットの変更(現時点では秋季大会で継続されるかは未定)は特にダブルヘッダーの場合、“体力面”での酷使によるゲーム自体のクオリティーの低下も散見、また戦術面に於いても影響を及ぼし、これまでアップテンポな攻撃を信条としていたチームが時にハーフコートバスケットを多用したり、あるいはマンツーマンでのディフェンスしか採用していないチームが体力面の疲労を考慮して時間帯やゲーム展開によってはゾーンディフェンスを採用するなど試合内容が変化、そして試合時間の増加に伴いリザーブメンバーの活躍の場が拡がると同時にそのクオリティーや緻密なベンチワークがチームの勝敗に大きな影響力を及ぼし、これは我々がプレーするDリーグのみならず、世界最高峰のバスケットボールリーグ“NBA”においてもリザーブメンバーのクオリティーが重要視されている。

2016-17シーズンで見事王座に輝いたゴールデンステートウォリアーズはステフィン.カリ−、クレイ.トンプソン、KD、ドレイモント.グリーン、ザザ.パチューリアのスターターの活躍もさる事ながら、ショーン.リビングストン、イアン.クラーク、パトリック.マコー、アンドレ.イグダーラ、デビッド.ウエスト、シャペール.マギーのリザーブメンバーの存在や働き無くして82試合を戦うレギュラーシーズン、そして過酷なプレイオフを勝ち抜きファイナルを制する事は出来なかったであろうし、今年のファイナルでそのウォリアーズに敗れたクリーブランドキャバリアーズは既にチーム改革に着手、かつてのMVPプレーヤー、デリック.ローズを加えた他、チームに未来を担うと思われていたスタープレーヤー、カイリーアービングをボストンセルティックスに送るトレードを断行、見返りにオールスタープレーヤーのアイザイア.トーマスと2wayプレーヤー(攻守両面に優れた選手)のFW、ジェイ.クラウダー、将来を嘱望されるアンテ.ジジッチを獲得、さらには3度のNBA制覇の経験を誇るベテラン、D-WADEを迎え入れ王者ウォリアーズに勝るとも劣らないチームを造り上げた事を鑑みればリザーブメンバーを含めた「総合力」の向上が正に“世界標準”のチームを栄光へと導く大きなファクターの一つをなっている事は疑いの余地はないだろう。

ここまで“優勝争いのポイント”として挙げたチームの「熟成度」、及び「総合力」について述べてきたが、最後に“補給”を意味する「兵站力」について、その重要性を説明しておこう。

−これは戦争だけではなく、ビジネスやスポーツ、あるいは人生にも通じるところがあるだろう− 戦争における勝敗に大きな影響を齎すファクターは無論、兵力や火力の優劣、そして緻密に練り上げられた作戦を実際に戦闘に携わる兵士だが、忘れてはならないのは「あらゆる角度を考慮した緻密な計画を立案、十分な補給を行い戦力を落とす事なく作戦を遂行させる、地道な作業や冷静な計算が出来る」か否かなのだ・・・

一言にいっても“兵站“補給とは食糧、武器、弾薬、医薬品、消耗品、車両等の修理に使用する部品、工具と多岐に渡る・・・兵站を軽んじ敗戦に及んだ事例は無謀な作戦計画により戦闘以上に多数の餓死者を出した旧日本陸軍が敢行したインパール作戦、また1941年、モスクワを目指した”バルバロッサ作戦“に於いてドイツ軍がソビエトの湿地帯や厳しい冬を十分に認識していたら、ドイツとソビエトの線路幅の違いにより列車での“補給”物資調達に狂いが生じてなかったら、製造中の新戦車の完成を優先させるあまり故障車両の部品調達を認めず疎かに扱ったベルリンの中枢部が違う決断を下していたら、そして閃きの天才であると同時に大きな失敗を度々繰り返した“総統閣下”の方針に異論を唱え正す勇気を持ち合わせた側近が数名でもいればドイツやソビエトは勿論、世界の歴史は変わっていたのかもしれない・・・

現在のDリーグの各チームの中軸を担うのは28年秋季大会を制したネオクラゲ、そして29年春季大会優勝に輝いたブッダは30代前半だが、他の4チームは概ね30代後半から40代前半、所謂“シニア世代”であることや、”プラス1アドバンテージを持つ女性プレーヤーや50歳以上のプレーヤーがチームにおいても欠かせない1ピース”となりつつある現実を直視すると選手各々のコンディションもさることながら体力面、戦術面、そしてモチベーションを含めた精神面を考慮した兵站力(補給)が覇権の行方に大きな影響を及ぼす事を前述の“チームの熟成度、総合力”と共に併せ鑑みると初優勝を飾ったとは言え”8分制ならばベンチワーク、そしてプレーヤーもっとも戦いやすいとされる“7名、あるいは8名でのローテーションで戦ってきたブッダ、ここのところメンバー不足に苦しみ大会を通じて安定したパフォーマンスを発揮しているとは言い難いキングサンズの2チームは”不測な落とし穴を陥る“危険が孕んでいて、逆に定期的に練習が行われているオールディーズ、セガ、ファイブファールズ、そしてネオクラゲは熟成度、総合力、兵站力の三つの条件を”決して十分とは言わないまでも”満たして大会に挑んでくるようにも筆者には映る・・・

また“年齢”という別の角度からリーグ全体を捉えると前回大会の大会展望のコラムで記した「チームの中心選手、あるいは中軸を成すグループが36歳から概ね38歳の時に優勝、もしくはそれに準ずる成績を残し、その後はゆるやかな後退局面に突入する」傾向は図らずともこの直近おける2大会では的中、中軸選手が30歳前半のネオクラゲ、ブッダが相次いで大会を制覇、逆に主力の大半が40歳に近づきつつあるオールディーズ、ファイブファールズ、セガ、そしてキングサンズは既に「緩やかな後退局面に繋がる道に足を踏み入れてしまっている感はぬぐえない・・・

しかしながらリーグ創設から16年に及ぶその歴史を紐解いてみると勿論、優勝候補がそのまま覇権を握ることは多々あるが、ノーマークのチーム、あるいは下馬評すらに上がらないチームが大会を制することが往々に起きている・・・

かつてキングサンズは5戦全敗の最下位から奇跡の全勝優勝を飾り、ご存じのようにここ2大会の王者、ネオクラゲは5年にも及ぶ低迷から一歩一歩這い上がり、そしてブッダは棄権という名の地の底から一気にリーグの頂へと登り詰めた・・・

果たして今大会はDリーグにおける歴史人口学から導きだされた“38歳限界説”が三度的中、ブッダ、あるいはネオクラゲが大会を制するのか、それとも”40歳はただの通過点に過ぎない”事をシニア世代に差しかかろうとしている”ベテラン”が自らの力で若者を粉砕、それを証明して見せるのか・・・チームの熟成度、総合力、兵站力に加え選手のコンディション、チームの一体感、個々の想い、そして気まぐれな運命の女神・・・様々な要素が複雑にクロスオーバーする中でリーグ戦を制するのはどのチームなのか、今大会も頂点を目指して一瞬の気も抜けない激しい覇権争いが最後まで繰り広げられる事だろう。


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