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Dleague LOOKINSIDE 2011 #8
- 二人のPGの欠場により明らかとなったキングサンズの現実 -
東日本大震災チャリティートーナメント2011の準決勝のセガ戦に於いてF山本、そしてピンクアイバーソンと言う二人のPGを欠いての戦いを強いられたキングサンズは日頃見せるバランスのいいバスケットとは程遠い言わば”力づくのバスケット”に終始、それとは対照的にパスを繋ぐことでオープンショットをクリエイトして見る者を魅了する美しいバスケットを展開したセガに60−43といいところなく完敗、それはあたかもセントラルミッドフィールダーの組み立てを省略して愚直なまでに前線で待ち構えるセンターフォワードにロングボールを蹴り込んでいく一昔前のイングランドサッカーと”個”と”組織”が高い次元で融合した攻撃的なサッカーで世界中のサッカーファンを魅了するバルセロナのサッカーとの対戦を見ているように感じられたのは筆者だけではないだろう。
二人を欠いたキングサンズは試合全般を通じて自分達のリズムでバスケットを展開することが出来ず、ある意味では”最も安全策”とも言えるゴルゴ藤樹のワンオンワンでの攻撃に終始、得点能力に秀でているゴルゴの挙げた得点とこれに試合全般を通じてリバウンドによく絡みゴール下で奮闘し得点を挙げていたPFのイチローとダイナマイトキッドの3人の合わせた得点がチームの約75%を占めていた事実は如何に硬直したオフェンスを展開していた証拠と言えるだろう。
また”短いプレータイムでもロングレンジからシュートを決めてくる事が出来る”ミントキャンディーを試合時間残り1分までベンチに座らせていたベンチワークには疑問符を付けざらずを得ず、セクシーキャットウーマンのんを試合序盤から積極的に登用、彼女が得点を挙げると共に数値には表す事が出来ない”いいムード”をチームに齎していた事で試合を終始優位に進めていたセガとは対照的であった。
チームはとてもナイーブでどのチームにも”旬”が存在しその輝かしい日々は己が気付かぬ間に過ぎ去っていく・・・二人のPGやゴルゴの”個”あるいは”高さ”に頼るチームスタイルではいずれ限界が訪れる。「個と組織が融合した強いチーム力」を維持していく為にはチーム全員がそれぞれの役割を認識し自己を見つめ直しさらなるステップアップを図っていくことが必要になってくるだろう。
また秋季大会でオールディーズに43−61、今大会ではセガに43−60と覇権争いをするであろう強豪2チームに続けて完敗、30日の3位決定戦では勝ちはしたものの前回大勝したネオクラゲに80−72と粘られた”下り坂に向かいつつある現実”を直視し軌道修正を図らないと間もなく始まる春季リーグ戦で大きな代償を払わせられる危険が潜んでいると筆者は予想する。
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