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Dleague LOOKINSIDE 2012
第29回 −彷徨うブッダはチームの"アイディンティティ"を確立することが出来るのか−
春季大会4位、続くワンデ―トーナメント大会も5位と依然下位低迷が続くブッダ。ナンバリングから真新しいイエローを基調としたユニホームに、コート上、そして精神面での脆さを露呈し時折崩れ掛けるチームのバランサーとしてリーダーシップを発揮するスムース和田と春季大会でその破壊力を知らしめた大型センター、ハ―キュリー坂井の即戦力選手2名の加入、そして今や名実共にチームの大黒柱に成長したバター梅津・・・意思統一の表れとも言える”戦闘服”に身を包み、この2年間で間違いなく戦力は向上したと思われたが時折上位陣を脅かす事はあるものの未だ優勝はおろか覇権争いにも加われていないのが実情だ。
1年前、「かつて迷走の幌馬車は過去のもの・・・」とまとまりの無さを改善し戦力補強にも成功、同じ方向に歩みを始めたと思われていたチームはまた数年前の状況に逆戻りをしてしまったような印象を受けるのは筆者だけではないだろう。以前、このコラムで彼らの改善すべき精神面、技術面・・・様々な問題点を指摘してきたがまずは取りも直さず見失ってしまっている、あるいは定まっていないように見えるチームとしての”自己” アイディンティティを確立することが最優先課題だろう。
ー 年に数回行われる大会の時に勝敗に拘らずにただ集まって楽しく試合が出来ればいいのか?それとも目標を設定し、たとえ時間がかかろうとも、苦難が待ちうけようとも勝利を、そして頂点を目指すのかー もし後者の道を選択するならばチームとして練習を行い、コミュニケーションをとりメンバーの意思疎通を図り同じ方向に歩みを進ませなければならないだろう。
定期的に行う練習場所がない? 体育館の予約が取れない? メンバーの都合が合わない? 試合だけしかこない・・・彼らはチームの置かれた現状を嘆いたりすることをよく耳にするが現状を改善する努力をしているのだろうか・・・予約可能な体育館を学校や公共施設を当る、HPで探してみる・・・他チームに練習試合を申し込んでみる、あるいはチームミィーティングを企画する・・・現状を改善する方策はいくらでもあるはずだ。 まずは勇気を持って一歩を踏み出そう。懸命に努力し汗を、そして涙を流す時、もがき苦しみ道を彷徨う時にのみ人は知らず知らずのうちに多くのものを身に着けることが出来るのだ・・・
チームの根幹を成すアイディンティティの問題を抱えているとはいえ戦力的にはリーグ戦を戦い抜けるだけの力を有しているのは間違いない。前述のバター梅津、ハーキュリー坂井、そしてバックアップとしてベンチスタートとなるであろうバラクーダ月村と揃うフロントラインはリーグでもトップクラス、チームで唯一リーグ優勝の経験を知る大ベテラン、スッダ杉岡が膝の負傷で出遅れているのが気掛かりだがリーグ戦にはきっと間に合わせて来るだろう。
また自身の出来が「チームの命運を握っていると言っても過言ではないポイントフォワードとしてオールラウンドなプレーを見せる”リーグ有数の負けず嫌い”スムース和田も正確な状況判断と冷静沈着なプレーで今大会も攻守に渡ってチームを支えるだろう。 チーム創設時からの名を連ねるPGを務めるイッコー鑓田、ロングレンジシュートが持ち味のピエロ西村、正確なミドルジャンパーと意表を突いたドライブを見せるデール江花、ふーせんスリーで場内を沸かすターザン押切、全国津々浦々の夜の街を徘徊している長距離砲とトリッキーなプレーでチームにアクセントを持たせるスナック佐藤のお馴染みのメンバーも健在だ。
リーグ戦を戦うに当り意識しておかなければならないのは初戦の入り方、これにチームは細心の注意を払う必要がある。前回、前々回と開幕戦で続けて王者オールディーズと対戦、20−38、6−26と2戦とも前半で「ほぼダブルスコア、あるいは逆転するには絶望的な得点差」をつけられてしまいゲームを決められてしまったのは実力差だけとは言い切れない。 周到な準備、心構え、対戦相手の分析・・・試合前にいくらでもやれることはあるはずだ・・・
上位チームにとってブッダは「多少の抵抗は示すものの確実に勝星を計算出来る」対戦相手と思われているのかもしれない・・・しかしながら春季大会、続くワンデートーナメントにおいてベストのラインナップを組めていないことを心に留め、敬意を持ってこの若者達との対戦に臨まなければリーグの如何なるチームであろうとも大きな代償を支払わせられる事になると筆者は予測する。
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