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Dleague LOOKINSIDE 2013
第43回 -チームとして、そして勝利に必要なものは何か-
2012-13シーズンのNBAplayoffもカンファレンスセミファイナルに突入、イースト、ウェストそれぞれ全てのシリーズが1勝1敗(5月10日時点)のイーブンと近年にない混戦模様の呈を見せている。その中でも注目を集めているのはウェストでは第6シードながら第3シードのデンバーナゲッツを撃破したゴールデンステートウォリアーズ、そしてイーストではファーストラウンド初戦でブルックリンネッツに惨敗を喫するも持ち前の粘り強さで逆境を撥ね返し最終戦のアウェイゲームで見事にセカウンドラウンド進出を決めたシカゴブルズだろう。今回は視点を変えて激闘が続くNBAのゲームから垣間見える”チームとして、そして勝利に必要なものは何か”を探っていくことにしよう。
playoffで最も注目を集めヤングスター、S・カリー率いるウォリアーズはデンバーでのファーストラウンド初戦の終了間際、カリーの起死回生のスリーで95-95の同点に追いつくも百戦錬磨のベテラン、A.ミラーに試合を決めるドライブを捻じ込まれ惜敗、さらにはこの試合でオールスタープレーヤー、D.リーも股関節の負傷で失ってしまい早くもチームは窮地に追い込まれてしまう・・・しかしここから怒涛の反撃を開始、カリー、クレイトンプソン、そしてこれまで6thマンとして起用されてきたJ.ジャックをスターターに起用するスリーガードシステムが爆発、ナゲッツのホームコートでの連勝記録を24でストップ、シリーズの流れを手繰り寄せると二人のルーキー、#40 H.バーンズ、#23D.グリーンが試合を重ねる度にステップアップ、4勝2敗でファーストラウンドを突破、強豪サンアントニオスパーズとのカンファレンスセミファイナルも2戦を終えて1勝1敗と優勝候補の一つと目されている強豪チームと互角の戦いを繰り広げている。
一方チームのエース、D.ローズを欠きながらもイースト5位のポジションでplayoff進出を果たしたブルズは「ハーフタイムで60-35の25点差を付けられる」初戦での大敗に加えてK.ハインリック、そしてL..デン・・・相次ぐスターターの負傷欠場で「ベストオーダーとは程遠いラインナップ」での戦いを強いられファーストラウンド敗退濃厚と予想されていたが第2戦以降コーチ、ティボドーが築き上げた持ち前の粘りのチームディフェンスが復活、加えてスターターに起用されたN.ロビンソン、そしてM.ベリネリが試合を決める大活躍、さらには負傷を抱えながら強行出場を続けるJ.ノアの奮闘により危機的状況を打破しセカンドラウンド進出を果たした・・・
逆境を跳ね除け下位シードからセカンドラウンド進出を果たしたこの2チームに共通しているのは「中軸選手やスターターを欠き不利な状況に陥ろうとも最後まで諦めない精神力」、「控え選手や若手のステップアップ」そして「チームとしての周到な準備」が挙げられこれらの項目は何も世界最高峰のプロフェッシャルバスケットボールリーグのNBAに限らずローカルバスケットボールリーグにも重ね合わせる事が出来るだろう。
仕事、休日出勤、冠婚葬祭、家族、そして不測の怪我、あるいは成人病・・・ローカルバスケットボールを楽しむほとんどの選手は仕事や家庭を抱えているので毎週満足な練習を重ねたりチームのベストオーダーを組んで試合に挑む事は不可能だ・・・時にチームのベストプレーヤーを、ペイントゾーンを支配するセンターを、そしてチームを統率するキャプテン不在での試合を強いられる事は多々あるだろう・・・代わりのいないチームの特別な存在のエースやセンターを欠いたら戦うことを、勝利を目指す事を止めてしまうのか、これまでベンチから出場していた選手はスターターを務める意識を、若手はいつまでもベテランに頼る事なくチームを背負う覚悟が出来ているのか、そしてチームは如何なる状況でも戦える準備を整えているのだろうか・・・
1192試合のNBA連続出場記録を誇る”鉄人”ACグリーン(LAレイカーズ、フェニックスサンズ、ダラスマーベリックスなどでプレイ、2001年引退)はプレイタイムが減少していたキャリアの晩年でも試合終了後すぐさまトレーニングルームに直行、バイクを漕ぎランニングマシンで体調を維持しいつでもフルタイムでの出場が出来るようにコンディションを整えていたという・・・
仕事、勉強、試験、スポーツ・・・持って産まれた才能やセンス、あるいはほんの少しの”運”も勿論必要なのかもしれないが最終的にその差を産むのは日々の努力、そして周到な準備ではないだろうか・・・実力差が拮抗している争いでは息詰まる接戦が多くなり、そして僅かな差が勝敗を別けてしまう・・・敗北した試合後、対応の拙さや己のプレーを反省しているようでは手遅れで”チームの課題の解決策や勝利を掴む糸口”はその遥か以前に存在しているのかもしれない・・・栄光に近道は存在しない。そしてやり残し目を背けてきたものは正義に欠ける行為と同様隠していても必ず浮かび上がり代償を支払らわされることになる・・・選手各々が自覚を持って出来る限りの準備を行い心身ともにベストコンディションで試合に挑む事が勝利に、そしてチームの栄冠に繋がると筆者は予測する。
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