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Dleague LOOKINSIDE 2017
第90回 ― 29年度Dリーグ春季大会 戦力分析:キングサンズ編 ―
【キングサンズは再び栄光の時代を取り戻す事が出来るのか】
あの“ケビンデュラント”でさえもNBAでのデビューシーズンは20勝62敗と前年より11も勝星を減らし、そして“KING”レブロンジェームスもチームをプレイオフに導く事が出来なかった事を考えれば“既に旬が過ぎてしまった”覇権争いに加わるとは全く予想されていなかった“アンダードッグ”キングサンズに入団、ルーキーながら主力選手として活躍、久しぶりに優勝争いに加わる原動力となりチームを3位に導いた事を鑑みれば、“インベーダー”のぶのデビューシーズンは素晴らしいものだったのかもしれない・・・
しかしながら彼とチームメイト達はこの程度の躍進や春季大会から勝星を一つ増やした程度の成績を挙げた位で満足してはいけない事を十分に理解している筈だ・・・
かつて5度のリーグ優勝を誇った彼らのチームは −歌を忘れたカナリアのように− 既に6年以上優勝から遠ざかってしまっている現実を今一度心に刻み、栄光を取り戻す為にハードワークに取り組まなければいけない。
また“チャンピオン”としてのプライドが彼等の心の片隅にでも残っているのならばそれが“義務”である事を深く胸に刻み次期大会に挑まなければならないだろう。
ここで彼らの課題を指摘する前に、再び王座を目指すチームロースターを確認しておこう。
優れたコートビジョンと的確なパス、そして秀でた得点力でチームを蘇らせたルーキー、インベーダーのぶ、リーグでも有数のスコアラーコンビのベースラインマスターだいきとユニバーサルジョイントノブナガ、共に3P王のタイトルを獲得した経験を誇るベテランシューターのF山本とRPGノブナガが名を連ねるバックコートとリーグ断トツの1試合当たり31本のリバウンドを記録した強固なペイントゾーンを形成する190センチを超える高さを誇るツインタワーのハイタワー西野とセンセーション吉武、そして機動力とパワーを兼ね備えたバーグ後藤のフロントコートと揃う陣容は十分優勝を狙える事は間違いなく、これに堅実なプレーが持ち味のハルクまこと、豊富な運動量を誇るスマートボーイ宮下、共に対戦相手にダメージを与えるラッキーパンチショットが武器のスノーマン“プリングルス”てる、と高橋“ダブルロシアンルーレット”水芭蕉、そしてチームno.1のリバウンダーのハイフライヤーイチロー、そしてバックアップPGを務めるピンクアイバーソンとベンチには栄光と辛酸の時代を知る経験豊富なベテランメンバーが揃っている。
しかしながら再びリーグの頂点を狙う彼らに問題が無い訳ではない。
彼等のチームは40歳近く、もしくは40歳半ばが大半を占めていて“高齢化対策”への対応にやや遅れた感があり、リーグ最低の数値を記録したスティール数や一概には言えないがアグレシップな部分が不足している事を物語る極端に少ないファール数を記録するなど、機動力や体力面で一抹の不安を抱えている事は否めない。
加えて春季大会からは1Q8分から10分へと試合時間の変更が検討されているを合わせ鑑みれば、スターターや主戦選手を休ませ、“ここぞ”という場面、そして“勝負所”で持ち合わせているパフォーマンスを十二分に発揮させる為にも新たに加わるであろうルーキーや、そして百戦錬磨のベテランが中心にその役割を担うことになるであろう“セカンドユニット”の起用法がチームの勝敗に大きく左右してくるのかもしれない・・・
前回大会でファイブファールズを“長距離砲”の絨毯爆撃で粉砕、そしてオールディーズに競り勝った現実を鑑みてもリーグを制するだけのポテンシャルを有していることは疑いの余地はないが再び“チャンピオン”の座に付くにはさらなるステップアップが不可欠であり、春季大会は3日間の行程だが一カ月半を超える長丁場の戦いとなるので −大会を通して− 選手各々がコンディションを保つ事が出来るか、メンバー全員が一つの方向に向かう事が出来るのか、そして選手のモチベーションを保つ公正かつ繊細のベンチワークが出来るか否かが、彼らが再びリーグの頂に登り詰める為には欠かせない重要な課題となるだろう。
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