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Dleague LOOKINSIDE 2018
第116回 ― 30年度Dリーグ秋季大会 戦力分析 ―
【オールディーズは再びリーグを制する事が出来るのか】
前回大会、エースのヒュードロクーペ荒井を故障で欠きながらも盤石の強さを発揮し開幕3連勝、共に2勝1敗ともたつくブッダ、ネオクラゲを尻目にリーグ戦の首位を快走、「この勢いのままならば優勝を確実・・・」と誰もが予想する中で迎えた大会最終日のブッダ戦、ロースコアの展開ながらリードを保つも第3Q終盤に逆転されるとそのまま敗戦、さらには第4Q、1分を切ってリードしながら痛恨のボールロスト、同点に持ち込まれて引き分けに終わりブッダに逆転優勝を許したオールディーズ。
リーグ最多11度の優勝を誇る“絶対王者”の称号を持つ彼等の目標は「覇権奪回、そして12回目の優勝」に他ならない。
今回は彼等の前回大会の戦いぶりを−特に敗れたブッダ戦にフォーカス−を当てて各部門のチームスタッツをも検証しながら戦力を分析、次期大会での課題を探っていく事にしよう。
まずは前回大会での戦いぶりと例によって初戦から振り返ってみよう。
開幕戦のキングサンズ戦、続くファイブファールズ戦ではやや手古摺る場面も見られたが最終的には63-54、61-52と勝利を飾り順調な滑り出しを見せると迎えた大会二日目、−1年前の秋季大会の開幕戦で大量リードを奪いながらもまさかの逆転負けを喫した−セガには“リベンジ”とばかりに猛攻を仕掛け89-47で快勝、開幕3連勝を飾り迎えた最終日、
ネオクラゲに逆転負けを喫しキングサンズにも土壇場まで追い詰められ調子の上がらない−少なくとも直近2大会の出来と比べれば精彩を欠いていた− ブッダとの大一番では試合開始から僅差の鬩ぎあいが続くも時間の経過と共に“試合の流れ”を手繰り寄せ「終始3〜5点をリード」する展開でこのまま逃げ切るのか・・・と思われたが第3Q終盤、ブッダのルーキー、バッカス青田にミドルジャンパー、そしてバンクスリーを連続で被弾、逆転を許すと「想定外の一撃」にリズムを狂わされたか、そのまま押し切られ40-48で敗戦、続くネオクラゲ戦でも第4Q終盤に逆転に成功、「ほぼ勝利を手中に収めたか・・・」と思われたが痛恨のボールロストから得点を許し60-60で引き分けで終わり、“絶対王者”の誇りを持つ彼等にとって何の価値も見出せないであろう準優勝で大会を終えた。
ここ数年の彼等の戦いぶりと見ていると「如何なる相手であろうともその破壊的な攻撃力で粉砕、付け入る隙すら見せなかった」前人未到の5連覇時代に比較すると圧倒的な強さは影を潜め、強豪チーム、とりわけ“新興勢力から新たなリーグの盟主になろうとしている”ブッダにはここ3大会連続で敗北を喫している事実を鑑みるとファイブファールズ同様、「Dリーグ38歳限界説」に符合する緩やかな後退局面の入口に、あるいはもう足を踏み入れてしまっているのかもしれない・・・
またアップテンポな攻撃を標榜する彼等はここ数年60点以下の展開に持ち込まれると敗戦を喫する、あるいは苦戦する傾向がみられるので −前述のようにブッダ戦ではリーグ断トツの1試合平均62点以上の彼等が40点しか挙げられていない− 事を鑑みれば 「1-0で無様に勝つなら4-5で鮮やかに散れ」と自分達の攻撃スタイルにこだわり続けたヨハンクライフ監督が率いたグラディオラ、ストイチコフ、ロナルドクーマン、ミカエルラウドルップ、そしてロマーリオのきらめくばかりのタレントを擁した”ドリームチーム“FCバルセロナのように”対戦相手のペースに合わせる事なく彼等が構築してきた −“アップテンポの攻撃を貫いて戦う− 姿勢が覇権奪回へのカギになるのではないだろうか・・・
次に前回大会に於ける1試合当たりの各部門でのチームスタッツの数値を確認してみることにしょう。
【30年春季大会 準優勝 3勝1分1敗 勝点 12】平均得点:62.6 @平均失点:52.2C 得失点差:+10.4 @ リバウンド:29.4 A アシスト:11.4 A スティール:5.4 B 3P成功数:2.6 D(○は順位)
3P成功数がやや低いのは気になるもののここに記してないが2P成功数、FT成功数もリーグ断トツの数値を記録していることを鑑みると彼等が「より確率の高いシュート」「ボーナススローを獲得出来るインサイド、あるいはドライブ」を多用、選択しているのが透けて見えてくる・・・
またリバウンド、アシスト、スティール・・・とどの部門もムラが無く、今大会も間違いなく優勝争いに加わってくるだろう。
それではここで12回目の優勝を目指すメンバーをご紹介しておこう。
“不惑の年齢”に突入するも衰えるどころか3Pの精度が飛躍的に向上、前回得点王に輝いたミスターパーフェクト遠藤、前回大会、ミスターパーフェクト遠藤と共にチームの攻撃を牽引、得点ランキング3位に食い込んだパワープレーと正確なミドルジャンパーを併せ持つミリオンダラー浅田、入りだしたら止まらない“リーグno.1のクイックリリースシューター、バイロン鈴木、ベテラン揃いのチームのゲームメイクを担当するスピードと高い得点能力を併せ持つスマイリーアサシンかおる、持ち前のパワープレーに加えてアウトサイドシュートの確率を年々向上させてきているスワン佐々木、パワーフォワードでありながらも確率の高い3Pと併せ持つ”ストレッチ4“プレーヤー、ベイビーガソル三寺、持ち前のタイトなディフェンスに加えたゆまぬ努力と向上心によって課題であったミドルジャンパーの精度を飛躍的に向上させてきたイリーガルシート”ダッジロール“鹿野、全盛期は過ぎたとは言え独特の嗅覚でリバウンドを?ぎ取るキケロ武田、確実に己の仕事をこなす頼りになるベテラン、BIGX西川、リバウンドとパワープレーで献身的なプレーをみせるa.k.a”BIG-Oから変更、ガリバー岡野、直近の区民大会で短いプレータイムの中、高確率でミドルジャンパーを次々に決めてみせた”ミセスインスタントオフェンス“ヴィーナス野崎、、そして高い得点能力を持つオールラウンドプレーヤー、a.k.a”ザ、ネイチャー“スイスアーミーナイフ”小笠原が今大会からチームに加入、怪我が長引き大会出場が微妙なエース、ヒュードロクーペ荒井、膝靭帯断裂からようやく復帰、練習を開始した勝負強いクラッチシューター、スピンマスターさくらの動向は気になるところだがそれを差し引いてもリーグトップクラスのタレントが顔を並べている。
一時噂にあがっていたスマイリーアサシンかおると同世代の若手、a.k.a“フィッシャーマン”湯川ではなく、40歳を超えるシニア世代のベテランオールラウンダー、ザ、ネイチャー“スイスアーミーナイフ”小笠原を加えた事でわかるようにオールディーズが見つめる先は“未来”ではなく“今”であること、前回大会の最終日における失速、3大会連続でブッダに敗北を喫している“悔しさ”が糧となったチームの“熱量の高さ”そして高い戦闘能力を維持していることを合わせ鑑みると間違いなく優勝争いに加わってくるだろう。
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